1.はじめに
世にマージャンのファンは多い。で、マージャンが中国からやってきたゲームであることは誰でも知っている。では、いま現在、中国で行われているマージャンは、日本のたとえば東京や大阪心斎橋で行われているマージャンとほとんど同じルールなのだろうか?
この問いに答えられる人はほとんどいないであろう。
中国で遼寧省科学技術出版社から、
「中国・競技麻将打法」という本が出版された。中国国家体育総局お墨付きの、由緒正しい中国での麻雀の公式ルールが説明されている。この本を読んでみてかなり驚いた。日本麻雀と中国麻将(中国ではこの字を使う)では、同じ用具を使う、由来は同じゲームではあっても、すでにかなりルールのちがうゲームになっているのである。
中国麻将のゲームの思想と、日本麻雀のそれとには大きなへだたりがある。一言で言って日本麻雀は、偶然の幸運によって点数が大きく移動する射倖性を重視したゲームである。これに対して、中国麻将は、牌の組み合わせの美しさを楽しみ、美しい配列には高い点数を与え、裏ドラのような、偶然だけで高い点数となるようなギャンブル性をできるだけ排除したゲームである。
中国ルールの麻雀は、日本麻雀の道具を用いて完全に遊び楽しむことができる。中国ルールの麻雀には、高度成長を遂げすぎて、インフレ疲れをしたような日本麻雀にはない、役作りに努力した人が報われるという、奥深い面白さがある。「裏ドラ」などという、頭脳力や努力の成果でもなんでもない、ただのギャンブル的インフレ要素など、中国ルールの麻雀をやる人には、とんでもない事に見えるだろう。神聖な麻雀に対する侮辱と見えるかも知れない。
ともあれ、日本麻雀と中国麻雀とは、別の面白さのある、ほとんど別のゲームになっている。せっかく麻雀の用具があって、日本ルールの麻雀しか知らないなんて、もったいない。
さっそく、日本ルール麻雀を知っている人に、中国ルール麻雀を紹介することとしよう。
2.細かい点はさておき
ルールの細かい点はさておき、日本ルールと中国ルールの大きな違いから、まず説明しよう。
中国ルール麻雀には
(1) ドラはない。
(2) リーチはない。
(3) 「ファン・翻」という点数倍増の考えはない。満貫もない。
(4) 出来役の種類が日本ルールよりはるかに多い(81種)
日本ルールだけにある役は「純チャン」、「天和」、「地和」、
「人和」、「十三不塔」。これら以外すべて中国ルールにある。しかし、
中国ルールには日本ルールにはない役が、倍以上ある。
(5) 点棒がない。したがって、点棒のやりとりもない。
ただ、獲得点数表に鉛筆で書き込んでいくだけである。
(6) 自模上がりは振り込み上がりの約3倍弱の点数を受け取る。
(7) 親(荘家)があがったときの点数1.5倍計算はない。
(8) 自模上がりされたときの親の倍払いはない。
(9) 振り込んだ人だけではなく、あがらなかった人も8点だけは
上がった人に支払う。
(10) 王牌14枚残しはない。山に積まれた全部の牌の最後まで
順に自模して終わる。
(11) 花牌(春夏秋冬、梅蘭竹菊)八枚を使う。
(12) でき役が、チーポンしてできたものと、面前でできたもので
点数に差はない。
(13) フリテンは規定されていない。
さしあたって、このぐらいのことを知っておこう。
なお、宇宙流こと高見沢治幸氏から、貴重な御教示があり(2002年6月24日)、それに従って書き改めた点があります。高見沢氏に感謝いたします。
目 次
1.中国ルールの麻雀
2.ゲームの開始と進行
3
.役と点数 その1 4点以下の役
4.役と点数 その2 6点,8点役
5.役と点数 その3 12点役
6.役と点数 その4 16点役
7.役と点数 その5 24点役
8.役と点数 その6 32点、48点役
9.役と点数 その7 64点、88点役
10. 点数のやりとり
11. 細かいルール補足と講評
12.中国麻雀の用語